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特集1

天台宗無量寿山善福寺

位牌について

今日仏壇に入れて毎日拝んでいる先祖の位牌はどこからやってきたのか。
日頃から見慣れているがいつ頃から始まったのかはよくわかりません。
ここで少し紹介していきたいとお思います。

位牌の起源

起源については諸説あり不明である。

@ 儒家では、位板・木主・神主・虞(ぐ)主といって、祖先や両親の存命中の位官・姓名を栗木に書いて神霊に托させる風習があった。これを禅僧が宋時代の中国からもたらし、それが仏教に転用された説

A 民俗学者は、位牌の原形を神祭や魂祭に用いられたと思われる上代の霊代(神や霊の依代)に求めている。
おそらくは両方が習合されたものとみている。神道で神主が現在用いている笏の形と儒家の位板の形とが習合して塔形になり、その後、さまざまな形状の位牌を生み出していった思われる説

位牌の広まり

行誉が15世紀の中頃に撰述した「塵添壗嚢鈔」十六巻に「位牌と云ふ事、禅家に好く用ゐる儀歟(よ)、正道の古所に無き事なりと云へり。先代の中比より早ありけるにや」とあり、例として「太平記」を上げている。「太平記」の書かれた14世紀には位牌が祀られていた事実を物語っている。16世紀には「諸回向清規」巻代四に臨済宗の在家の位牌についての書式が成文化されていることからも、16世紀には一般庶民の間に広まり、江戸時代に入って一般化されたものと思われる。

位牌の習俗

現在、各地に見られる仏教的習俗としては、死亡時には白木の位牌が用いられる。地方によっては、白木の内位牌と野位牌の二つがつくられる。内位牌に薄絹をきせて祭壇に祀られる。薄絹は亡者の妄執を象徴し、葬儀にあたって引導のときに除かれる。野位牌は祭壇の下位に置かれ、野辺送りの際に墓に供え供養の対象として忌みの期間中祀られる。内位牌は寺に納め、各家の仏壇には、黒塗・朱塗・金箔塗等の位牌に書きかえられて祀られる。

群馬県の下仁田町・長野県の佐久地方、伊豆地方などでは両親が亡くなると結婚している子女の数だけ位牌をつくりそれぞれの家に祀られる「位牌分けの」俗習がある。

また、現在位牌は死者の象徴として礼拝対象になっている。

ご先祖さまの恩に報いるため感謝の心を忘れず、一日一日精進していきましょう。